山梨大学 副学長
国際交流センター長

茅 暁陽

Xiaoyang Mao

グローバルAIの必要性

 現在アジアは、人工知能(AI)による劇的な社会変革の中心的な役割を果たしています。UBSによれば、2030年までにアジアにAIがもたらす年間経済価値は1.8~3.0兆米ドルに上り、金融、ヘルスケア、製造業等で、現在のアジアの国内総生産(GDP)の2/3相当の分野に影響を与えると推定されています。しかし、AI産業が国際的競争の焦点となるなかで、その人材の質と量は業界ニーズを満たしておらず、効果的な教育モデルも確立していません。さらに日本に目を向けると、AIの研究開発と教育は、米国や中国等に較べ確実に立ち遅れています。日本の特色である、緻密で洗練されたものづくりも少子高齢化により技術の伝承と自動化が喫緊の課題であり、最先端AIを活用して、地域や産業界の実問題を解決する人材育成が急務であります。

 このような国内外の現状を鑑み、本交流プログラムでは、山梨大学、中国・杭州電子科技大学、韓国・国立釜慶大学校、マレーシア・国立ペルリス大学の4大学でコンソーシアムを組み、各大学のAI研究・教育の強み、産業界との連携ネットワーク、および地域の実践フィールドを相補的に活用することで、AI国際産学連携の新たな教育モデルを確立し、アジア諸国との架け橋となり、Society5.0やDXを牽引するAI人材の育成を目指します。

 この、実問題解決駆動AI人材育成プログラムA3I (Asia Applied Artificial Intelligence)が、with/afterコロナ時代に備え、様々なプログラムを通して、豊かな国際性と確かなAI技術・高度応用力を修得した”真の国際人”を育成し、社会へ送り出す一助となればと考えています。

波及効果

本プログラムによる「質の保証を伴う単位互換」「ウィズ/アフターコロナ教育」「学位論文の共同指導」「国際化を重視した組織運営」の実施、「OB/OGネットワーク」「産学連携ネットワーク」の構築及び活用の取組によって、大学の「教育の国際化」「国際競争力の強化」「地域イノベーション拠点化」の波及効果を狙います。

アジア実問題解決駆動AI教育プログラム 波及効果 アジア実問題解決駆動AI教育プログラム 波及効果